1つのエクセルファイルを複数人で同時編集したいときがあると思います。
ただ共有フォルダに保存すれば同時に編集ができるわけではなく、デフォルトの設定では最初に開いた人以外は「読み取り専用」となり編集ができません。
複数人で同時に編集をしたい場合は、エクセルの「ブックの共有」または「共同編集」という設定が必要になります。
そこでこの記事ではExcel(エクセル)でファイルを複数人で同時編集できる「ブックの共有」「共同編集」の使い方について、初心者にも分かりやすいように解説しています。
エクセルの「ブックの共有」と「共同編集」の違い
エクセルで1つのファイルを複数人で同時編集するには、エクセルに搭載されている「ブックの共有」または「共同編集」という機能を使います。
ブックの共有と共同編集はExcelのバージョンの違いによるもので、「共同編集」はMicrosoft 365やExcel 2019/2021でのみ使える最新の機能であることに対して、「ブックの共有」は全てのバージョンで使える従来からある機能です。
ブックの共有には機能制限が多数あり
ブックの共有は複数人で同時編集することができますが、共有時には一部の機能に制限がかかります。
ブックの共有時に操作できない機能の一覧がこちらです。
- 表の作成または挿入
- セル範囲 (行全体や列全体は可) の挿入または削除
- 条件付き書式の追加または変更
- ワークシートの削除
- データの入力規則の追加または変更
- グラフやピボット グラフ レポートの作成または変更
- 図やその他のオブジェクトの挿入または変更
- 描画ツールの使用
- ハイパーリンクの挿入または変更
- ワークシートやブックの保護または保護解除
- シナリオの作成、変更、表示
- 自動集計の挿入
- データ テーブルの作成
- ピボット テーブル レポートの作成または変更
- マクロの記述、記録、変更、表示、割当
- 配列数式の変更、削除
- スライサーの作成または適用
- スパークラインの作成または変更
- Microsoft Excel 4 ダイアログ シートの追加または変更
- スレッド化されたコメントの追加
ちなみにMicrosoft365やExcel2019以降でのみ使える「共同編集」であれば、上記のような制限はなく全ての機能が使うことができます。
マイクロソフトも共同編集の利用を推奨しているため、機能に対応している場合は共同編集を使うのが無難でしょう。
Excel 共有ブック機能は、Microsoft Excel 2007 以降、Microsoft Excel2016 以前のバージョンのユーザーどうしでブックを共有する機能です。後述しますが、共有ブック機能には多くの制限があるため、Excel 2019 以降や Microsoft 365 では新たに「共同編集」という機能になりました。そのため、Excel 2019 以降を利用の場合は、「共同編集」をおすすめします。
出典:マイクロソフト
エクセルの「共同編集」の使い方
ここからはMicrosoft365やExcel2019以降のバージョンに対応する、「共同編集」の使い方について解説をしていきます。
まずはエクセルの画面右上にある、共有と書かれたボタンをクリックします。
するとファイルを共有フォルダに保存するように指示されるので、保存するフォルダを選択して保存します。
ファイルを共有フォルダに保存すると、ファイルを共有するためのリンクを取得できる画面が表示されます。
この画面からは宛先を入力して共有リンクをメールすることもできますし、共有リンクだけをコピーすることも可能です。
直接メールを送るには宛先とメッセージ内容を入力し、送信のボタンをクリックするだけです。
送付した相手にはあなたの宛名で下記のようなメールが届き、メール内にある共有したファイルを開くことができます。
もしメールではなくチャットなど他の方法で共有したい場合は、コピーと書かれたボタンをクリックすれば共有用のリンクをコピーすることができます。
エクセルの「ブックの共有」の使い方
ここからはエクセルの「ブックの共有」の使い方を解説していきます。
「ブックの共有」のボタンを追加する方法
Microsoft365やExcel2019以降のバージョンをお使いの場合、デフォルトでは「ブックの共有」が非表示になっているため機能の追加が必要です。
まずはエクセルの校閲タブをクリックし、メニュー上で右クリックからのリボンのユーザー設定をクリックします。
すると機能の追加・削除の設定画面が開かれます。
まずは右側のメニューから校閲を選択し、新しいグループをクリックします。
すると校閲タブの直下に「新しいグループ」を追加することができました。
続いて左側にあるコマンドの選択からリボンにないコマンドを選び、表示される機能一覧からブックの共有(レガシ)を選択し、追加をクリックします。
するとブックの共有(レガシ)を追加することができたので、最後に右下のOKをクリックすれば完了です。
以上の手順で、校閲タブのリボンにブックの共有のボタンを追加することができました。
ブックの共有でファイルを複数人で編集する方法
ブックの共有を使ってエクセルのファイルを複数人で編集する方法を解説していきます。
まずは校閲タブにあるブックの共有のボタンをクリックします。
すると設定画面が開かれるので、新しい共同編集機能ではなく、以前の共有ブックの機能を使用します。にチェックを入れて、OKをクリックします。
するとブックを保存しますというポップアップが表示されるので、OKをクリックすれば完了です。
ファイル名の隣に「共有」の文字が表示されていれば、正しくブックの共有が設定されています。
エクセルでブックの共有を解除する方法
エクセルで設定したブックの共有を解除する手順を解説していきます。
ブックの共有を解除する手順はシンプルで、校閲タブにあるブックの共有を解除のボタンをクリックするだけです。
誰かが編集中でブックの共有を解除できないときの対処法
自分以外の誰かがファイルを開いている場合、上記手順ではブックの共有を解除することができません。
誰かが編集中の場合に共有を解除したい場合、下記の手順で強制的にユーザーを解除する必要があります。
まずは校閲タブにあるブックの共有のボタンをクリックします。
すると現在ファイルを開いているユーザーの一覧が表示されるので、ユーザーを選択した上でユーザーの削除を選択してOKをクリックします。
以上の手順でユーザーを強制的に削除することができ、ブックの解除ができるようになりました。
エクセルで共有されたブックが読み取り専用になるときの対処法
エクセルで上記手順の通りブックの共有設定をしても、ファイルを開くと読み取り専用になってしまうことがあります。
共有されたブックが読み取り専用になってしまう明確な原因は分かっておりませんが、下記のような対処法が推奨されています。
全員が一度ファイルを閉じる
共有されたブックが読み取り専用になってしまう場合、全員が一度ファイルを閉じることで改善されることがあります。
パソコンを再起動する
パソコンで発生する問題の大半のことは、パソコンを再起動するだけで改善することができます。
共有ブックが読み取り専用になってしまう場合も、パソコンを再起動するだけで改善できるかもしれません。
読み取り専用を解除する
上記の対処法でも改善されない場合、エクセルの「読み取り専用の解除」機能を試してみましょう。
読み取り専用の解除を追加する
「読み取り専用の解除」という機能はデフォルトにはないため、最初にメニューに機能を追加していく必要があります。
まずは校閲タブのメニューで右クリックし、表示されるメニューからリボンのユーザー設定をクリックします。
続いて左側にあるコマンドの選択からリボンにないコマンドを選び、表示される機能一覧から読み取り専用の設定/解除を選択し、追加をクリックします。
すると選択した機能が右側に移動するので、最後にOKをクリックすれば完了です。
以上の手順で、読み取り専用の設定/解除の機能をメニュー内に追加することができました。
読み取り専用の解除をする方法
上記手順でメニューに追加することができたら、後は読み取り専用の設定/解除と書かれたボタンをクリックするだけです。
以上の手順で、共有ブックで読み取り専用になったファイルを強制的に解除することができるはずです。