エクセルでは関数やセルの書式を変更することで、小数点以下の数値を四捨五入したり、同様の手順で切り上げ・切り捨てを行うことができます。
小数点以下を四捨五入などで整数にする作業は、エクセルを仕事で使う人なら絶対に覚えておくべき必須作業です。
そこでこの記事では、Excel(エクセル)で数値を小数点以下で四捨五入・切り上げ・切り捨てを行う方法ついて、分かりやすく詳しく解説していきたいと思います。
四捨五入・切り上げ・切り捨てとは
1.2,3,4,5や-1,-2,-3,-4,-5のような数値を整数、3.14や0.3など小数点を伴う数値を少数と言います。
現実世界では商品価格などでも小数を目にする機会は少ないと思いますが、それは小数点以下を四捨五入などで整数に変換しているためです。
この記事ではエクセルで四捨五入・切り上げ・切り下げを行う手順を解説していますが、エクセルでの手順以前にそれぞれの違いをしっかりと理解できていない方も多いと思います。
そこでまずは切り上げ・切り捨て・四捨五入について、それぞれの定義を詳しく解説していきたいと思います。
四捨五入とは
四捨五入とは指定された位の値が1~4の場合は切り捨て、5~9の場合は1つ大きな値の数を1増やす作業です。
123.2を小数点以下で四捨五入すると「123」、567.8を小数点以下で四捨五入すると「568」となります。
切り上げと切り捨ての場合は1~9の数値に関係なく変換するのに対して、四捨五入は数値の大きさによって変換方法が異なるのが特徴です。
切り上げとは
切り上げとは1~9の数値に関係なく、指定された値の1つ大きな位の数を1増やす作業です。
123.2を小数点以下で切り上げると「124」、432.1を小数点以下で切り上げると「433」となります
四捨五入と違って5未満の1~4の数値であっても、値さえあれば全ての値を切り上げるのが特徴です。
切り捨てとは
切り捨てとは1~9の数値に関係なく、指定された位以下の数値を全て0に減らす作業です。
567.8を小数点以下で切り捨てると「567」、987.6を小数点以下で切り捨てると「987」となります。
四捨五入と違って5以上の5~9の数値であっても、全ての値を切り捨てるのが特徴です。
エクセルで小数点以下で四捨五入を行う方法
ここからは、エクセルで小数点以下の値を四捨五入を行う方法を解説していきます。
エクセルで小数点以下の値を四捨五入するには、ROUND関数を使って値自体を変更する方法と、値は変更せずに表示形式のみ四捨五入する方法の2つのやり方があります。
- ROUND関数で小数点以下を四捨五入する
- 表示形式だけ小数点以下で四捨五入する
それぞれの手順について、詳しく解説していきたいと思います。
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ROUND関数で小数点以下を四捨五入する
エクセルのROUNDという関数を使うことで、小数点以下で指定した値を四捨五入することができます。
ROUND関数の書式は=ROUND(数値,桁数)となっています。
第1引数には四捨五入したい値を、第2引数には四捨五入を行う桁数を指定していきます。
例えば下記の123.4という値を小数点以下で四捨五入したい場合は、=ROUND(B3.0)となります。
ROUND関数の第1引数
ROUND関数の第1引数には、四捨五入したい値を入力します。
値を直接入力することもできますし、値が入力されているセルを指定することもできます。
今回の例題であればB3のセルに入力された値を四捨五入したいので、第1引数にはB3と入力するのが正解です。
ROUND関数の第2引数
ROUND関数の第2引数では、どの桁数で四捨五入するかを指示することができます。
第2引数で指定する桁数の数え方は、こちらの画像で示している通りです。
桁数が0となる1の位を基準に、位が増えるごとに+1、位が減るごとに-1でカウントしていきます。
今回の例題のように小数点以下を四捨五入して整数にしたい場合は、四捨五入する桁数は0になるので第2引数には0と入力するのが正解です。
小数点以下をセルの書式設定で四捨五入する
エクセルではROUND関数を使う方法以外にも、セルの書式設定を変更して四捨五入することも可能です。
四捨五入したい数値が入力されているセルを選択した状態で、ホームタブの数値カテゴリにある、小数点以下の表示桁数を減らすをクリックします。
すると小数点以下の数値が1クリックにつき1桁減るので、今回のケースだと3回クリックすることで小数点以下を四捨五入することができました。
ちなみに上記の方法だと表示形式のみを四捨五入しているだけなので、実際の数値は四捨五入されているわけではありません。
元の数値まで四捨五入したいときは「ROUND関数」、手っ取り早く表示だけ四捨五入したい場合は「セルの書式設定」といった感じに、それぞれの特徴の違いを理解して使い分けれるようにしておきましょう。
エクセルで切り上げを行う方法
ここからは、エクセルで小数点以下で切り上げを行う方法を解説していきます。
エクセルで切り上げを行うには「ROUNDUP」という関数を使います。
ROUNDUP関数の書式は=ROUNDUP(数値,桁数)となっています。
四捨五入をおこなうROUND関数と同じで、第1引数には切り上げ行う元の数値を、第2引数にはどの位で切り上げを行うのかを指定していきます。
ROUNDUP関数で小数点以下を切り上げする手順
では実際に、ROUNDUP関数を使って切り上げを行う手順を解説していきます。
例えば下記の123.456という値を小数点以下で切り上げたい場合は、=ROUNDUP(B3.0)と入力するのが正解です。
ROUNDUP関数の第1引数
ROUNDUP関数の第1引数には、切り上げを行いたい元の数値を入力します。
数字を直接入力することもできますし、数値が入力されているセルを指定することもできます。
今回のケースだとB3のセルに入力された値を切り上げたいので、第1引数にはB3と入力するようにしましょう。
ROUNDUP関数の第2引数
ROUNDUP関数の第2引数には、数値のどの位で切り上げを行うかを指定することができます。
第2引数で指定する桁数の数え方は、四捨五入のROUND関数と同じでこちらの画像で示している通りです。
桁数が0となる1の位を基準に、位が増えるごとに+1、位が減るごとに-1でカウントしていきます。
今回の例題のように小数点以下で切り上げたい場合は、第2引数には0と入力するようにしましょう。
エクセルで切り捨てを行う方法
ここからは、エクセルで小数点以下で切り捨てを行う方法を解説していきます。
エクセルで切り捨てを行うには「ROUNDDOWN」という関数を使います。
ROUNDDOWN関数の書式は=ROUNDDOWN(数値,桁数)となっています。
四捨五入のROUND関数や切り上げのROUNDUP関数と同じで、第1引数には切り捨てを行いたい元の数値を、第2引数にはどの桁数で切り捨てを行うかを指定していきます。
ROUNDDOWN関数で小数点以下を切り捨てする手順
では実際に、ROUNDDOWN関数を使って切り捨てを行う手順を解説していきます。
例えば下記の123.456という値を小数点以下で切り捨てしたい場合は、=ROUNDDOWN(B3.0)と入力するのが正解です。
ROUNDDOWN関数の第1引数
ROUNDDOWN関数の第1引数には、切り捨てしたい元の数値を入力していきます。
数字を直接入力することもできますし、数値が入力されているセルを指定することもできます。
今回のケースだとB3のセルに入力された値を切り捨てしたいので、第1引数にはB3と入力します。
ROUNDDOWN関数の第2引数
ROUNDDOWN関数の第2引数には、どの桁数で切り捨てを行うかを指定することができます。
桁数の数え方はROUND関数やROUNDUP関数と同じで、下記の画像で示している通りです。
桁数が0となる1の位を基準に、位が増えるごとに+1、位が減るごとに-1でカウントしていきます。
今回の例題のように小数点以下で切り捨てしたい場合は、第2引数には0と入力するようにしましょう。
まとめ
この記事ではエクセルで四捨五入・切り上げ・切り捨てを行う方法を詳しく解説しました。
最後にそれぞれの違いや手順を簡単にまとめておきます。皆様の参考になれば幸いです。